Project story

職種の異なるメンバーの議論だからこそ、 気づきが生まれ、全く新しい アソビや体験を開発できる。
職種の異なるメンバーの 議論だからこそ、 気づきが生まれ、全く新しい アソビや体験を開発できる。

全部署クリエイター集結!~施設系プロジェクト 回顧録~

近年のアミューズメント業界はアーケードゲーム機だけでなく、
リアルな「場」を活かした全く新しいアソビや体験価値を
お客様へ提供する施設が注目されており、
当社が企画・開発したコンテンツが今も日本全国へ拡大しています。

さまざまなアソビを生み出してきた
当社を代表するクリエイター5人に集まってもらい
施設系プロジェクトの魅力や工夫しているところ、
アーケードゲーム機との開発手法の違い、
職種を跨いだ連携のあり方などについて、語り合ってもらいました。

ここでしか聞けない“開発秘話”も大公開・・・!
就職活動中の皆さんに参考となる率直な先輩社員の声をお届けします!

参加者

MOVIE

Part1

想定外のアクシデントは
「あって当たり前」の精神で乗り切る。

皆さん、それぞれが関わった施設系プロジェクトで、印象に残っていることを教えてください。

  • M.I

    電気エンジニアとして、施設系のプロジェクトに関わっています。そこで工事関係の方々と仕事を進めていますが、アミューズメント業界と文化の違いがあって、お互いの考え方をすり合わせるところに苦労しました。

  • Y.F

    文化の違いって、具体的にはどんなことですか。

  • M.I

    例えばモニターを例にとると、私たちは一定年数で交換することが前提で、なるべくメンテナンスしやすい形で工事をしてほしい。交換が前提なので、費用もあまりかけたくないと考えます。でも、工事会社の方は、費用は少し高くても寿命の長い製品のほうがよいと考えていました。最終的にはクライアントの判断を仰ぎ、私たちの意見を採用していただきましたが、温度が高くなりすぎないような形で設置してくださいとか、細かなコミュニケーションをとりながら、私たちの考えを伝えていく努力が必要でした。

  • T.T

    N.Aさんは、キッズ向けデジタルプレイグラウンド「屋内・冒険の島 ドコドコ」の開業準備では、結構、苦労されていましたね。私はプランナー、N.Aさんはプログラマーとして、このプロジェクトでご一緒しました。

  • N.A

    施設系の仕事では、最後に現場でプログラミングをして調整を図る作業が出てきます。「屋内・冒険の島 ドコドコ」の件では、施設の工事が進むコンクリート剥き出しの現場に出向きました。工事による粉塵から守るためプロジェクターにかけられているビニールカバーを取り外すところから1日の作業を始めますが、ヘルメットを被って脚立に登らなければなりません(笑)。

  • T.S

    あんまりプログラマーらしくないですね(笑)。

  • N.A

    最終調整の時はある程度、仕方ないのですが、ヘルメットを被ってPCに向かうのは、どうも落ち着かない。なるべく疑似環境を構築して、オフィスでプログラミングできるように、次の施設系プロジェクトでは工夫しました。

  • T.T

    私は「屋内砂浜 海の子」で企画開発の責任者を務めた時のことが印象に残っています。ショッピングセンター内の親子で海遊びができるアトラクションで、「砂場+波打ち際映像のCGプロジェクションマッピング投影+バンダイナムコスタジオ開発のサラウンド技術VSSS(バーチャルサウンドスケープシステム)」を組み合わせています。水を感じたり、魚を捕まえたりする感覚をいかに実現するかに知恵を絞りました。

  • Y.F

    難しいチャレンジだったと思いますが、順調に進んだのでしょうか。

  • T.T

    M.Iさんが先程、交換が前提とお話しされていましたが、このプロジェクトでは開業初日に木製の円環型のセンサーデバイスが破損するアクシデントがありました。

  • M.I

    私が言ったのは、一定年数で交換、ですよ。初日の交換ではない(笑)。大変でしたね。どうしたのですか。

  • T.T

    紙製のデバイスに変更することを即決し、印刷が仕上がるまでは、つなぎ用のデバイスを手作りして乗り切りました。アクシデントは、「あって当たり前」だと思っています。

  • Y.F

    私はメカ関連の開発設計、ディレクター業務を担当しています。アクシデントといえば、施設系の仕事をした時に、開業準備で夜間に筐体を搬入する際、他の店舗とのエレベーターの取り合いになり、搬入予定時間を大幅に超過してしまって、ヒヤヒヤしたことが思い出に残っています。きっちり計画を練っていたのですが、他店舗もエレベーターを使うことまで想定できていなかった。いろいろあるのが施設系のプロジェクトです。

  • T.S

    私はデザインチームの取りまとめ役です。ショッピングセンター内で高校生~大学生の男女グループをメインターゲットに開発した「VS PARK」が印象に残っています。「普段着の延長だが、オシャレな気分」と思える雰囲気を目指してデザインを構成。アルバイトの採用面接で「ロゴがオシャレ」「施設がオシャレ」という志望理由が多いと聞いて、ターゲットにデザイン意図が届いた実感を得たことが印象に残っています。

Part2

意見が採用されなくても
議論が活性化すれば、それが貢献。

プロジェクトでは、どのような議論が交わされているのですか。また、他部署の仲間や社外の人と、どのように連携を取っているのですか。

  • M.I

    デザインチームの考え方として、提案が全て採用されることはないと思うのですが、T.Sさんはどのようなスタンスで議論に臨んでいるのですか。

  • T.S

    提案したことを全て実装しいほしいというより、提案によって議論が活性化すればよいというスタンスです。私たちが提案することにより、当初考えていなかったような方向性の議論が生まれたり、気づきが生まれたりすることがある。最終的によい形になるのであれば、それは私たちも貢献できたと考えています。当社の場合、いろんな専門家がいますから、各職種がそういうモチベーションで意見を出し合うということが、一つの文化になっていると思います。

  • N.A

    とはいえ、議論をどのように集約していくのか。プランナーはまとめ役として、どう考えているのですか。

  • T.T

    あらゆる提案が飛び交いますが、コンセプトを実現する上で有用なのかを一つの判断基準としています。コンセプトを作り上げる段階で、グループ他社の人たちとも連携しながら、お客様のニーズを分析したり、予算を決めたりしています。その原点に立ち返るということですね。

  • N.A

    ただ、開発途中で当初想定していなかったことは、いろいろ起こりますよね。

  • T.T

    そうですね。コンセプトを実現する方法は一つだけではないので、時間も予算も限られる中で、どれだけお客様に喜んでもらえるものに仕上げるか、柔軟さも必要です。開発チームの中で同じ方向を向くことが大切だし、それはクライアントや協力会社など、他社の方とも共通認識を取れるようにコミュニケーションを取っていくように努めています。

  • N.A

    プログラマーはプランナーから、「こういうことを実現したい」という要望を受け取る立場で、難しいなと思うこともあるのですが、「できない」と否定するだけでなく、「こういう方法ならできるかも」ということをセットにして伝えるように心がけています。また、M.Iさんとは、例えばPCのスペックを巡って議論したりしています。

  • M.I

    私たち電気エンジニアは、プロジェクトの中で下流工程にあたるので、当社の生産部門や、部品メーカー、加工会社など外部の企業とも話をしなければなりません。プロジェクトから受け取る仕様は、割とふんわりしていることが多いので、私たちとしては、「この部品とこの部品を組み合わせることで実現できますが、プログラミングできますか」、みたいなやりとりをよくしています。コストの話も、乗り越えなければならない壁として、よく話題になります。施設系のプロジェクトの場合、コストはどのように計算しているのですか。

  • T.T

    ゲーム機を作るより複雑に見えるかもしれませんが、いくら投資して、どれくらい集客が見込めるのか、それを何店舗展開すれば採算が取れるのか、といった計算をしています。案件によってはチャレンジングなものもありますが、きちんと計算して開発費用の予算を決める。そこはシンプルなゲーム機の製作と同じようなプロセスを踏んでいます。

  • Y.F

    メカエンジニアもコスト計算をする立場ですが、部品1個1個まで分解して原価表を作成しています。私はキャリア採用で入社していて、以前は大手電機メーカーに勤務していたので、その時の手法を応用しているわけです。ただ、前職では1,000人規模のプロジェクトだったりして、自分の意見が反映されている実感を持ちにくかったのですが、当社では自分の意見を聞いていただける。そういう意味でコミュニケーションは取りやすいし、やりがいもあると感じています。

Part3

当社のプロジェクトならではの
開発過程の祝祭感を味わってほしい。

皆さんの今後の目標と若者に期待することについて教えてください。

  • Y.F

    施設系の仕事は、忙しいのですが、立ち上げのワクワク感がたまりませんね。建屋のレイアウト設計、搬入計画、メンテナンス対応など、メカエンジニアの仕事は範囲が広く、忙しい時は、オーストラリア、中国、台湾などの国々、国内なら北海道から沖縄まで飛び回っていました。今後もチャンスがあれば、施設系のプロジェクトをどんどんやりたい。当社のプロジェクトならではの開発過程における祝祭感は、ぜひ若い人たちに味わってほしいと思います。

  • M.I

    肩書はエンジニアでも、意識はクリエイターでいたい。専門領域に近いところを中心にインプットを増やし、何か案件が発生した時に、イノベーションを生み出したいと思っています。若い人には、アミューズメント業界ですから、楽しみながら仕事をしてもらえればと考えています。

  • N.A

    目の前で自分の家族や友人が遊んでいる姿を見ることができるのが、私たちの仕事のよいところで、そんな姿をずっと見ていたいですね。若手には、ゲームをプログラミングするという意識ではなく、新しいゲームコンテンツを作るという意識で仕事に取り組んでいただければと思います。

  • T.S

    私が経験した「VS PARK」では、オープンの日に雨の中、何十人もの人々が列を作って待っていてくれました。自分たちが作ったものを喜んでくれる人がいる姿を見るのは、ムチャクチャ充実した体験。そんなコンテンツをこれからも提供していきたい。新入社員に期待することは、M.Iさんと同じで、楽しんで仕事をしてほしいということ。会議の場で誰かがクスッと笑ってくれるといった、そんな小さなことでも、他の人の反応を楽しめるようなマインドがあるといいですね。

  • T.T

    今後については、新しいものを創りたいという意識。「今までこんな雰囲気のものはなかったよね」とか、「初めてだけれどこれは楽しいね」と言ってもらえるようなものです。そしてそれが当社にとって、顔となるようなものであれば最高です。若い人たちには、先輩たちが作ったものを改良するだけでなく、自分たちの世代だったら「こういうものがいい」と思うようなものをどんどん提案してほしいし、それを楽しみにしています。

取材日:2025年1月
※掲載内容は、取材日時点の情報となります。